「ひび」

気持ちの隠し場所

summer

ビー玉が蓄えた夏を 部屋中に散りばめて
輝く四畳半の 秘密基地、覚えてる

裏口から5回だけノック 2人だけの合図
青と黒のキャップ 色違い、宝物

止まった時計の針は いつも15時をさして
いつだっておやつの時間って 御伽の屁理屈みたいな

終わらない日々なんてどこにも無いって
今になっても 教えたくはないんだ

蝉の声が弾けて 夜に花が咲いて
特等席はいつも 裏山の腐ったベンチで

炭酸の抜けたサイダーも 特別だったね
淡い色のくせに褪せないや

思えば最初の別れだった 夏と一緒に君は
訳も分からずに「またね」って告げた またねって告げた

鈴の音が響いて 白線が遠く揺れて
特等席はもう きれいな水色のシーソー

炭酸の抜けたサイダーが 今も好きで
淡い色のくせに混ざらないや