「ひび」

気持ちの隠し場所

吸って吐く煙みたいだ いつだって言葉は白く煙って 宛先を隠した それは確かに臆病だ潜って見上げる空みたいだ いつだって色は入り混じって 本当は話した それも確かに卑怯か溢れる様子を 眺めていた容易く伝えられるだろうか 僕じゃない誰かだとしたら あな…

さよならとはじめまして

手のひらで温めた 最後にそっと頬を寄せて 確かめるように 声に出し繰り返したの見えないままで良かった? 知らないままで良かった? 分からないや 笑ってしまうくらいに心は透明じゃないの 濁ったり腐ったりを何度も何度も でも、言葉は嘘じゃないの 本当の…

誰もいない部屋でふわふわと宙に浮かぶ愛でも恋でも、なんでもいいのあなたで良かったんじゃないのよあなたが、いいの。

車窓からは切り取れない風景 何処かにあなたの街があって 僕の街もある想像から抜け出せない光景 いつかに飛ばした紙飛行機 どこまで行ったのかな洗いざらしたTシャツと 柔らかくなったジーンズで 歩く夏の終わりまで そこで拾えたら全て夢だったなら 良かっ…

吐いた言葉は 消えないからね 声に出すこと 迷っていたのよ鉛筆で書いた 真っ黒なノート これは多分 ずっと内緒よ雲の速さとか 夜の深さとか どれだけ日々が忙しなくとも穏やかに暮れる毎日は どこかにあなたが見え隠れしているから やっと自分のものと 気付…

くすんだ白が好きな色だって そう答えたら嫌な顔されたっけ 天井には映らない僕の顔が 今笑ってる、不思議だ蓄えた幸福なんてすぐ食べ尽くして でもお腹は空かなかったのに 喧騒には隠せないこの心が 今笑ってる、不思議だううん、不思議なんかじゃないって…

れたー

許せなかった事もいつか 飲み込めるようになってしまうからね この気持ちが冷めた後に 花が咲くことを祈るのよ隠したかった事もいつか 話してしまうようになってしまうけどね あの過去があったから今があると 思いたくはないのよ生まれる前から知らなくてよ…

ひび

甘いようで塩っぱいものって何だろう なぞなぞの答えは?忘れたってあっけらかんと笑うとなりで あくびを1つ、2つ 日付が変わるね僕らはまるで 似ていないのに 1人より2人を選んだのは似ているところが きっと2人にとって なによりの幸せだったの何でもない…

まどろみ

何度も確かめるように紡いで、紡いでそれでも足りないから綴って、綴って夢の中で伝えたことをなぞって、なぞって消しては書いて、消しては書いて消しては、書いて

時計の針の音寝静まった部屋変えたてのシーツと枕夢の続きとその先見たこともない海沿いの景色喧騒と夏祭り作られた星と生まれたての星夏が終わったら、夏の話をしたい秋が始まったら、今までの話をしたい今までと、少し先

ペトリコール

雨音で目が覚めた 昼下がりの微睡み 傘を預けるように 心ごと寄り添えたなら雨が降る前の香りは なんていったっけなぁ 自慢しようと思った くだらないことをね何でも無い事が 特別であるように 僕もあなたもきっと 代わりなんていなくて 僕にとって特別なこ…

call

少し長い夢を見たの 夏の終わり、作られた星座を 見上げて少し欠伸をして 目を擦った終わらない時間はないの 夢も覚めて、何にもない日々を 歩き疲れて少し背伸びをして 今日になったたくさんの未来を選んできたのよ これはね、譲れないの 本当に「結果論で…

考えてみれば 不思議な話ね 知っていることなんて ほんの少しよ考えなくても 分かることが 体の隅で笑って くすぐって思い描くことはいつも 奇跡よりも奇跡みたいな 暑いのは夏のせいよこの先もずっとずっと そう想うの 明日になれば 終わってしまうかも?う…

summer

ビー玉が蓄えた夏を 部屋中に散りばめて 輝く四畳半の 秘密基地、覚えてる裏口から5回だけノック 2人だけの合図 青と黒のキャップ 色違い、宝物止まった時計の針は いつも15時をさして いつだっておやつの時間って 御伽の屁理屈みたいな終わらない日々なんて…

愛や恋を蓄えてね、少し重い布団に潜って夜、思い浮かべる光景は海沿いを走る列車だったり、夏に溶かされていくアイスバーだったり。どんなくだらないことだって、そこにあなたがいてくれたらそれはもう世界一の何かになってしまうから。今この瞬間は一人で…

おはよう

空を眺めていた 青がどこまでも あなたのところまで 続いているのでしょうか夢に微睡んでは 首を傾けて イヤホンから漏れる その声が何よりも言葉が薬になって 痛みは和らいで こんなことばかりだ 何か返せるかな今日は幸せな日だった そう思えるのは ここか…

火花

思いの丈は きっと空まで届きそう なんてありきたりな例え話よ 笑ってね向こう岸は どんな景色があるのか 知りたくなったから、ねぇ 待っててね言葉を尽くしても きっと伝えられないだろうから 雨に隠すことも もう出来なくなったみたい燦々と降り積もる気持…

ぐるぐる

どこまでも巡る想いを 運命の端に認めて あなたが気付かないように そっといつまでも募る感情を 夢の中一粒だけ落として 毎晩健やかに眠れる様 もしも隠せない気持ちが溢れたら 言葉にして伝えていいかな確かめ合うように 手を繋いで 目に見える証拠なんて無…

今日がどんな一日だったか まとまらないまま、枕にそっと置いた伝えたいことや知りたいことも そっと添えて深呼吸をして 自分だけ、空回りしないように秘密にしておけるように

8

風の強い夜を 泳ぐ雲みたいね 僕らは長いようで短い時間を 泳いでいるの100年じゃ足りないかもしれないね ねぇ 朝は寝坊したっていいよ 夜が少し長くなるだけさシトラスの煙が揺れて 揺れて 君の輪郭に触れて 触れて 全てここにある 全てここにある 大切なも…

朝焼け

細い糸を 千切れない様に結び繋いできたから 綺麗じゃないけれど 受け取ってくれるかな脆い心を 小さな両手で抱えて歩いてきたから 持ち物は少ないけれど 聞いてくれるかな一日の始まりから 一日の終わりまで 話しだしたらそれこそ 一日が終わりそうだけれど…

見失って また見つめ直して触れたら泡みたいに弾けて 空が変な色をしていたとか夕方に読んだ物語の話とか 話したいこと 聞きたいこと沢山あるけど 沢山あるかなあ夜を泳いで 朝を迎えたらあなたがいてくれれば 掬い上げて また元に戻して飲み干した後に伝え…

さよならを辿って

「それは多分ドライコースなんじゃないかなあ」 お隣の彼は、洗濯機に詳しいようだった。お気に入りの白いシャツがシワになることを相談したら、彼はそう答えた。 「あれだよ、おしゃれ着用っていうのかな。普通コースよりも、優しい?っていうか?なんてい…

さよならを辿って

彼女が居なくなってから、どれくらいの時間が流れたんだろう。月へ行ったのか、好きだった木星へ旅に出たのか、行き先を聞いておけば良かったと後悔している。「木星は神秘なの。それはもう、下手したら恋愛よりも神秘なんだから」 神秘に興味がなかった僕は…

ランドリー

カーテンをしめて夜を迎え入れて貰い物のマッチに上手く火がつかなくて格好がつかないまま夜を迎え入れてプカプカと浮かぶシトラスの煙グラスと遊ぶ氷の音夜を迎え入れて多分そう、ずうっとこうしたかったの夜を迎え入れてあなたと向かい合って

夢見

声が聞こえて 曖昧な返事をして 月の縁で聴かされた音楽のこと バンドワゴンに揺られたあの夜のこと クラゲの舞う水槽のこと 海沿いを走る列車のこと 橙のカップに注がれたコーヒーのこと 昨日こと 昨日よりも、ずっと前のこと 明日のこと 明日よりも、今日…

月が綺麗

月が綺麗な夜だから部屋の明かりは消してしまおう弱いくせにお酒を飲んで普段は言えないことも言ってしまって月が綺麗な夜だから嫌な夢は忘れてしまおうクリームをかけて切り分けてお揃いのカトラリーを使って月が綺麗な夜だから忘れたいことも忘れたくない…

最愛

3分半の構想 悲劇的?喜劇的?結末はいつも刺激的 言葉の味を確かめよう 何度だって間違えよう 指の隙間から流れ込む物 絡み合う微熱これは中毒 「忠告の末にまた落ち合おう」 暮れた陽寝室草臥れたカーテン 掛け替えのない物なんて この世界ではもう必要な…